-秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花-
-萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝がほの花-
万葉集に載っている山上憶良(やまのうえのおくら)が詠んだこの2首が、秋の七草の始まりだそうです。万葉集と言えば1200〜1300年前に作られたもの。ロマンを感じずにはいられません。
現代語訳する…と言ってもそのままでもだいたいわかりますね。
「秋の野に咲く花を指を折って数えると、7種類の花がある。」
「ハギの花、オバナ、クズ、ナデシコの花。そしてオミナエシ、アサガオの花。」
オバナはススキの別名、アサガオは諸説ありますが、現代のキキョウという説が有力だそうです。
秋の七草を1つずつ見ていきましょう
ハギ
花の形がマメの花に似てるなと思ったら、マメ科ハギ属、やっぱりマメ科だったんですね。
そして、実(種)はひっつき虫などと言われるこれ!ハギの種類は40種類以上あるそうですが、ひっつき虫はその中のヤマハギという種類です。
オバナ(ススキ)
イネ科ススキ属。尾花(オバナ)以外に茅(カヤ)という別名もあります。そう、茅葺(かやぶき)屋根の茅です。屋根って…すごいありがたい感じがしますね。
秋は七草のひとつだったり、お月見に飾ったり、やっぱり生活に密着して活躍しています。
クズ
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クズ科クズ属。根は葛粉(くずこ)となり、葛湯や葛餅、また葛根湯(かっこんとう)に使われるなど、現代は花よりも根の方が馴染みがある植物です。
ナデシコ
ナデシコ科ナデシコ属。大和撫子(やまとなでしこ)やナデシコジャパンなど、現代も日本人女性の代名詞となっている花です。
ちなみに母の日に贈るカーネーションも、ナデシコ科ナデシコ属なんですよ。
オミナエシ
オミナエシ科オミナエシ属。少しわかりにくいですが、真ん中の黄色い花がオミナエシです。
小さい黄色い花が集まって咲きます。
フジバカマ
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鳥の羽というより、動物の毛のような細い花弁の花が集まって咲く、モケモケしたイメージの花です。
キキョウ
キキョウ科キキョウ属。大きな星形に咲く花。初夏から咲いているので、個人的には星形を生かして七夕に飾るのも好きです。英名は「バルーンフラワー」と言う通り、ツボミが気球みたいな形をしているのもかわいい。
写真の青紫の花がメジャーですが、ピンクや白い花もあります。
秋の七草の覚え方
秋の七草を調べていたらいろいろなサイトに載っていたので忘備録も兼ねてご紹介します。
頭文字の語呂合わせで覚える
お好きな服は?(おすきなふくは)
お…オミナエシ
す…ススキ
き…キキョウ
な…ナデシコ
ふ…フジバカマ
く…クズ
は…ハギ
ハスキーなお袋(はすきーなおふくろ)
は…ハギ
す…ススキ
きー…キキョウ
な…ナデシコ
お…オミナエシ
ふ…フジバカマ
く…クズ
(ろ)
語呂合わせを自分で作ってみるともっと覚えやすくなるかもしれませんね。
五・七・五・七・七のリズムで覚える
ハギ キキョウ/クズ フジバカマ/オミナエシ/ススキ(オバナ) ナデシコ/秋の七草
なんとなくしっくりきますね。
個人的には…覚え方を載せておいてなんですが、このブログ冒頭の山上憶良の短歌をそのまま覚えたいです。だって1000年以上も読まれ続けてるんですよ。ロマンを取りたいじゃないですか。笑
そんなこんなの秋の七草。そんなロマンに思いを馳せつつ、飾ってみてはいかがでしょうか。